『Let My People Go』は、アメリカ、オークランド出身のソウル、ファンクシンガー、ダロンド(Darondo)の音源を集めたコンピレーション・アルバム。2006年にリリースされた。
ディープ・ファンク・シーンでも人気があり、多くのコレクターが血眼になって探しているシングルを3枚だけリリースしていたシンガーDARONDOのそのシングル3枚プラス未発表曲を収録したアルバム。第2の「Al Green」や「Sly Stone」とも称されながらも日の目を見ることの無かったDARONDO。Giles Peterson選曲のコンピにも収録された、メランコリック・ソウル”Didn’t I”、”Let My People Go”などのファンク・ナンバーなど、スライの影響とポスト・ニュー・ソウルの息吹を併せ持つ激レア音源。はっきり言って地味な作品だが、ファンクとして扱うにはもったいない、ソウルフルな1枚。
「Legs」や「How I Got It Over」はスライ〜ベイ・エリア流儀を感じさせるソリッドなブラス・ファンク、「My Momma And My Poppa」はテナー・サックスとチェイスするジャズ・ファンク、そして「Didn’t I」や「Listen To My Song」といったファルセットで歌われる極上のバラード、と言った具合にバラエティに富んだ内容。バラード・ナンバーに顕著だがアル・グリーン〜ハイ・サウンドの影響が大なのも事実。ヴォーカルこそかなり個性的だが、70年代前半の西海岸のシンプルで剥き出しのソウル/ファンク・サウンドは黒汁ファンにはたまらないゴチソウ。