『オールダー』(Older)はイギリスのシンガーソングライター、ジョージ・マイケル(George Michael)の3枚目のソロ・アルバム。1996年5月13日に発売された。
前作『LISTEN WITHOUT PREJUDICE VOL. 1』リリース後、当時の所属レコード会社であるSMEとの泥沼化した法廷闘争を経て(結果はジョージの敗訴)、実に5年8ヶ月ぶりにリリースされたアルバム。レコーディングは裁判の合間を縫って行われたため、3年もの期間を要した。
ジョージはアントニオ・カルロス・ジョビンの音楽にインスパイアされ、本作は彼に捧げると記してある。金管楽器や弦楽器を使用したジャズ寄りのオーガニックなサウンドで、よりムーディな音楽性を獲得した。アルバムは特にヨーロッパ各国で商業的成功を収めたが、アメリカでは商業的・批評的に欧州ほどの成功は得られなかった。イギリスでは2年間でリリースされたアルバムからのシングルが全てトップ3を記録するという記録を打ち立て、この記録は未だに破られていない。
法廷闘争のあった期間の苦悶や忍耐といった人生経験が、本作の音楽にも反映されている。
全体的に、2ndよりも深い内面を投影したような楽曲で、知的で美しい作風に仕上がっている。 恐ろしいまでの集中力・ストイックさが、最初から最後まで貫かれており表現者としての才能を垣間見ることができる。