『5』(ファイブ)は、アメリカのロックアーティスト、レニー・クラヴィッツ(Lenny Kravitz)がリリースした、5枚目のアルバム。
アナログ感覚の録音を得意としてきたレニーが、はじめてここでデジタル、すなわちプロトゥールズなどコンピューター・ソフト上で音楽を組み立てることに挑戦した。そしてこのレコーディングはそれまでの手法とは全く異なるため、制作終了までにはかなりの時間と労力を費やしたという。一日平均16時間で8ヶ月という長く過酷なレコーディング。そして遂に完成した5thアルバムは 『5』と題され、翌1998年4月(アメリカでは5月)に発表された。シンセサイザーやテープループなどのデジタルテクノロジーを使用して、モダンなサウンドを提供。彼が70年代にインスパイアされた、ファンクとソウルがロックスタイルでミックスされている。
当初このアルバムは(特にアメリカでは)いきなり爆発的なセールスをもって迎えられたという感じではなかったが、シングル“フライ・アウェイ”のヒットがきっかけでじわじわと売れ、ロングセラーを記録。結果的に見れば全世界で約600万枚を売り上げる大ヒット作となった。同1998年11月に来日公演を行い、また翌1999年にグラミー賞で“フライ・アウェイ”がベスト・メイル・ヴォーカル・パフォーマンスを獲得。