『Gold Nigga』は、プリンス(Prince)による、New Power Generation名義の1stアルバム。1993年のリリース。
ワーナーとの契約問題が表面化し1993年4月24日にプリンス名義の曲は十分作ったと突然レコーディング休止宣言。更に6月7日にプリンスは改名を宣言。シンボルマーク(通称“ラヴ・シンボル” )あるいは、The Artist Formerly Known As Prince(かつてプリンスと呼ばれたアーティスト)と名乗る。
ワーナーと離れて活動をしたくなったプリンスは、アルバム「Diamond & Pearls」でプリンスのバック・バンドとして活躍していたNew Power Generationに「Graffiti Bridge」でジョージ・クリントンのバンドで参加やカルメン・エレクトラの音楽監督をしていた”Mr.Hayes”ことモーリス・ヘイズを加えてリリースされたNew Power Generation単独名義による1stアルバムを制作。これが本作。
クレジットにはプリンスの名前は表記されていないが、プリンスが曲の大部分を書き、バック・コーラスやギター等を担当している。
全体的なイメージはホーン・セクションを多くフューチャーしたジャズ・ファンクのサウンドと、トニー・モズレーのラップをメインに配置したもので、”Get Up Stand Up”をライムに使った”Goldnigga Pt.1″からスタートして、いくつかの異なる趣向の曲が収録されている。
ボブ・マーリーの”Get Up Stand Up”をライムに使った”Goldnigga Pt.1″からスタートし、リーヴァイのギターのカッティングがお洒落なインスト・ナンバー”Oilcan”、”Sexy M.F.”と”Housequake”のホーン・セクションを足して2で割ったようなファンク・チューンでプリンスもラップを披露している”Black M.F. In The House”(チェンバース ブラザーズの”I Can’t Stand It”をネタで使用)、「1-800 New-Funk」に収録されている同曲よりも若干長めのバージョンの”2 gether”、「Diamond & Pearls」からのシングル”Money Don’t Matter 2 Night”のカップリング曲”Call The Law”等、プリンスのアルバムとはまた違った趣きのある曲が収録されている。
プリンスはヴォーカルを担当していないが、ヒップホップとファンクが見事に融合し、「Diamond & Pearls」サウンドを進化させている。
このアルバムは、通常のレコード会社の販売体系を経由せず、プリンスのオフィシャル・オンライン・ショッピングサイトやツアー時のみで販売されたため、プリンスの真のファンでなければ、入手が難しいかもしれない。