『ラスト・フォー・ライフ』(Lust For Life)は、1977年8月29日にRCAレコードからリリースされた、アメリカのミュージシャン、イギー・ポップ(Iggy Pop)の2枚目のソロ・アルバム。 同年にリリースされた『イディオット』に続く、デヴィッド・ボウイとの2度目のコラボレーション作品である。
『イディオット』と並ぶイギーの代表作であり、収録曲「ラスト・フォー・ライフ」「ザ・パッセンジャー」などが多くのミュージシャンにカヴァーされている。
イギーは本作の制作について「デヴィッドと俺はあのアルバムを短期間でレコーディングすると決めていたんだ。8日間で書いて、録音して、ミックスして、本当に早く終わっちまった。だからRCAから受け取った前金がたっぷり残っていて、それをデヴィッドと山分けしたんだ。」と語っている。
イギーはこのアルバムの制作中、ほとんど寝ていなかったとコメントしている。その理由として、ボウイはとんでもない速さで仕事を進めるため、自分はボウイを上回る速度で仕事を進めないと、これはボウイのアルバムになってしまうと気づいたからだという。
本作の作詞は、基本的に断片だけを準備してマイクの前で即興でまとめ上げるという手法を採った。この自然発生的な作詞手法に影響を受けたボウイは、直後に制作された自身のアルバム『ヒーローズ』で、同様の手法を採用した。
本作は一般的にボウイの影響下にあるとされている前作『イディオット』よりもイギーに主導権が移ったと考えられており、実験的なテイストは薄まり、よりロックンロール的なテイストが前面に出た形になっている。そして、タイトル・トラックの大きな音で始めるあの催眠術のようなドラム・ビートが印象的。
『Lust For Life』はストゥージズ後のイギー・ポップのアルバムの最高傑作とされている。