『Dynamite』は、イギリスのファンク /アシッドジャズバンド、ジャミロクワイ(Jamiroquai)の6枚目のスタジオアルバム。日本では2005年6月15日、イギリスでは2005年6月20日、オーストラリアでは2005年7月21日、アメリカでは2005年9月20日にリリースされた。
これまでのディスコ、ファンク路線を維持しながらも、生音の感触も取り入れサウンド・プロダクションに新機軸を打ち出した意欲作。中でもリード・シングル「ジャスト・ライク・イット・シュッド」は、ヘヴィなギター・リフと激しい打ち込みによるハイ・エナジーなファンクタイトルとなっている。
ヒューマン・ビートボックスもフル回転する冒頭のロッキン・ファンクな先行シングル“Feels Just Like It Should”でのあけっぴろげな肉感性然り、アルバム・ジャケットのこれまでには考えられなかった生身っぷり然り、ソウル、ガレージ、エレクトロ・ポップ……と、これまで以上に多彩なコース料理を出してきているが、アルバムを通して聴いてまったくダレない味付けがされている。音の外的形状は寸分の狂いもなく整っていて、かつ中身はアツアツのトロトロ。彼らが生来持ち合わせていたラテン性=悦楽への飽くなき欲求と、時に頑固なまでの職人気質との双方がせめぎ合った結果、至極アバウトでフリーキーな筆致で描かれているように見えるが、実は緻密に計算され尽くしたスケール感を備えた作品。