The Cult – The Cult

The Cult - The Cult

The Cult』はイギリスのロックバンド、ザ・カルト(The Cult)の6番目のスタジオアルバム。セルフタイトルのアルバム。1994年10月に Beggars Banquet Recordsからリリースされた。アルバムジャケットを飾るマンクス・ログタン(Manx Loaghtan)の黒い羊のお陰で、「Black Sheep」レコードとも呼ばれる。このアルバムは、不安定なまま存続していたバンドが本作を最後に一度解散してしまう事にもなった節目の作品。
イアン・アストベリー、ビリー・ダフィーの2人のプロジェクト・バンド化していたバンドは、ここで元THE MISSIONのクレイグ・アダムスとスコット・ギャレットを迎え4人体制でのレコーディングを敢行している。SISTERS OF MERCYから発展したTHE MISSIONは、英国ゴス・ロックを代表するバンドであり、ツェッペリンへの急接近をも図ったハード・ロック・バンドだったが、そのDNAがカルトに与えた影響は少なくなかったと思われる。プロデュースは「Sonic Temple」以来となった名手、ボブ・ロック。
サウンドは一聴するとグランジ、オルタナの影響下にあるダークなサウンド、と簡単に言えばそうだが、そうした安易な選択をしがちなバンドでなかったのが、カルトの立ち位置でもあった。
かつての「Electric」を彷彿させるビッグなハード・ロック・ナンバーも確かに見受けられるが、全体的には80年代の喧騒を過ぎた後のクールな佇まいが目立つ。
フィードバック・ギターとイアンの制御されたヴォーカル、ミドル・テンポでのミステリアスなメロディは、彼等がパンクを通過し、ゴスからメタルへと激動の時代を生き抜いてきたが故に出せるものではなかったのか、と思わせる。
粘りっこい「Real Grrrl」の様な、王道カルト節の様なナンバーが、むしろここでは浮いているのも興味深いところ。「Joy」、「Star」といったナンバーではボブ・ロックの隙間を巧く生かしたサウンド・プロダクションが新たなバンドの魅力を生んでいる。
「Sacred Life」に至っては、ステレオフォニックスが2003年にリリースした大名曲、「Maybe Tommorow」をも思わせる程のメロウな完成度を誇っている。

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