『ヤング・アメリカンズ』は、イギリスのロック・ミュージシャンである「デヴィッド・ボウイ」(David Bowie)の8枚目のアルバム。1975年3月7日にRCAレコードよりリリースされた。
フィラデルフィア・ソウルの本拠地と言えるシグマ・サウンド・スタジオでレコーディングされただけに、実にソウル色の濃い作品である。本作で大活躍したギタリスト、カルロス・アロマーは、その後長きに渡ってボウイのパートナーを務めた。ベーシストのウィリー・ウィークスとドラマーのアンディ・ニューマークとのリズム体は、かつてジョージ・ハリスンやロン・ウッドなどのアルバムで活躍してきた強者である。サックスには、デヴィッド・サンボーンも参加。
また、ジョン・レノンとの共演も話題となり、ニューヨークのエレクトリック・レディ・スタジオで、ビートルズの「アクロス・ザ・ユニヴァース」と共作の「フェイム」の2曲をレコーディングした。
チャート・アクションは全英2位、全米9位。第2弾シングル「フェイム」は、ボウイにとって初の全米1位となった。
本作発表後はツアーを行わず、初主演映画『地球に落ちて来た男』の撮影に入った。
英音楽誌NMEは、本作から「ヤング・アメリカンズ」(4位)、「フェイム」(21位)の2曲を「NMEが選ぶデヴィッド・ボウイの究極の名曲1〜40位」に選んでいる。フィラデルフィア・ソウルへの接近で自らを“プラスティック・ソウル”と称するまでの変貌を遂げた作品。それまでのジギースターダストの「ジギー」のイメージが色濃かったが、あまりの急変貌であり、ボウイお得意の”changes”だった。ボウイ自身はR&Bなど幼い頃からブラック・ミュージックに愛着をもっており、アメリカに渡ればソウル・ミュージックの本場の空気に感化されることは必至で当然の流れのようだが、しかしアルバム一枚、その時の趣味趣向すべてがソウル一色になってしまうところが、どうしようもなくボウイらしい。